佐賀県武雄市を中心に活動している一般社団法人おもやいは、平時からGood Linksを活用しています。代表理事を務める鈴木隆太さんに、Good Linksを利用することのメリットや、支援のネットワークを築くことの大切さについてうかがいました。

毎年どこかが被災している九州で、支援活動を広げてきた

――おもやいさんの活動内容について教えてください。

おもやいは、2019年に佐賀県であった大規模な水害をきっかけに生まれた団体です。被災された方のお宅の片付け支援に加え、困りごとの相談を受けたり、支援物資を手配したりしています。

佐賀県では2021年にも水害がありましたが、九州は災害がとても多くなっていて、ここ最近は毎年どこかが被災しているような状況です。それらの支援のほか、2024年の能登半島地震にもスタッフを派遣しています。

2021年に起きた水害後の配布会。Good Linksからの提供物資も配られた

また、被災はしていないけれど、日常的に生活に困っている方からの相談も増えてきたので、平時にも地域でいろんな課題を抱えていらっしゃる方々の相談に乗るようになりました。そうした相談を受けて2021年ごろから毎月1回、「おもやいフードリンク事業」として食料配布会を実施。そのなかで、Good Linksから提供を受けた消耗品なども配布しています。

平時のこうした配布会のノウハウは、災害時にとても有効なんです。配布会をしたことがない団体の場合、物資を配ることはすごくハードルが高いのですが、普段からやっているとできる。だから平時からの取り組みが大切だと思います。

配布会のために並べられた、Good Linksからの提供物資

――課題を抱えている方々とは、具体的にどのような方たちでしょうか。

生活保護を受けるまでには至らないけれども、生活が苦しいという方々ですね。食料配布会に来られる方には事前登録をしていただいており、現在(2025年6月)は約130世帯が登録しています。ひとり親世帯が多数で、年齢別に見ると30~40歳代が多くなっています。

安心できる物資が心理的な支援にもつながっている

――Good Linksで受け取った物資や、利用頻度を教えてください。

平時は3、4か月に1回程度、Tシャツやおむつ、ティッシュ、トイレットペーパーなど、消耗品を中心にいろいろなものを提供いただいています。イベントがあるときには随時相談をさせていただき、ポーチやミラーのようなノベルティを提供いただくこともありましたね。能登半島地震などの災害時には、非常用トイレやカセットコンロを提供してもらいました。

――Good Linksを通じて物資を入手するメリットについて、どうお考えでしょうか。

Civic Forceさんは災害支援の経験が豊富なので、「この地域で、いまのタイミングだとこれが必要」というのがわかります。そのため、すぐに対応してくださるところが助かっています。また、Good Linksを通じて提供されるのは、中古品ではなくて企業さんからいただいた新品だというところが非常にいいですよね。

繰り返しになりますが、支援物資を扱うのはとても大変なんです。たとえば1995年の阪神淡路大震災のときは、民間団体や行政が支援物資として古着を集めたはいいけれどさばき切れず、保管場所の床が抜けたという話を聞いたことがあります。災害時にはほかにもやることがたくさんあるので手が回らないんですよね。さらに、余ったものは産業廃棄物にするしかないけれど、その処理費用を誰が持つのかという問題も起きる。そういうわけで、物資の提供に関わる人はものすごく心を削られるんです。

それでも、僕らが物資を扱うことにしたのは、2021年に起きた水害がきっかけです。臨時のゴミ集積所には、まだ新しく見える家財道具や家電製品がずらりと並んでいました。というのは、2019年に同じ地域で起きた1回目の水害で買い替えたばかりだったのに、たった2年でまたダメになってしまったわけです。水害を受けた自宅を修理するのに500万円、家財の買い替えに100~200万円、さらに車も買い直すと、総額で1000万円近い出費になります。それが二度起きていますから、ものすごい経済的負担です。

その負担を1円でもおさえたいという思いが生まれ、2021年からGood Linksで物資の提供を受け、配布するようになりました。

――物資を受け取るみなさんの反応はいかがでしょうか。

すごく喜んでくださいます。質の高い新品を提供いただけることで「おもやいさんから提供してもらうものだから大丈夫よね」という安心感が生まれているのではないでしょうか。子どもたちがTシャツなんかを「どれがいいかな?」と選んでいる姿を見ると、すごくホッとします。ただ物を渡すというだけでなく、選ぶ楽しさや、そうした時間を持てることで心理的な支援にもなっていると思います。

佐賀県武雄市にあるおもやいの活動拠点「地域共生センターそよぎ」

企業と支援団体からの信頼で成長していくプラットフォーム

――Good Linksを利用するなかで、感じている課題や要望があれば教えてください。

ほかの団体さんも同じかなと思うんですが、自分の団体のことで頭がいっぱいになりすぎて、Good Linksの仕組みを使いきれていない部分がありますよね。実現する・しないは別として、地域の現状を把握している我々がGood Linksへリクエストをきちんとお伝えできていないのがもったいないと思っています。

いろんな団体さんが、現場ではどういう需要が高いのか、どういう要望があるのかという情報をCivic Forceさんに伝える。それらをCivic Forceさんが分析することで、よりよい活動ができるかなと思うんですね。すべてを「Civic Forceさん、よろしくね」とお任せするのではなく、もうちょっとコミュニケーションをとって、一緒に盛り上げていけたらいいなと思っています。

また、Good Linksは、物資を提供する企業と支援団体の双方からの信頼関係によって、質が担保されているプラットフォームですよね。企業さんがいい物資を提供し、それを受け取った支援団体が正しく扱い配布する。そうすることで、さらにGood Linksの信頼は高まり、利用する団体も増えていく。そんなサービスだととらえています。

――Good Linksへの登録を考えている団体さんに対してメッセージはありますか。

まだ使ってない団体さんには、「まずは登録したほうがいいよ」と伝えたいですね。Good Linksを介して、物資だけでなくCivic Forceさんとのつながりが得られるからです。

というのも、それぞれの団体が取り組んでいる課題はひとつの団体だけで解決できることでは決してなくて、その団体だけが頑張ればいいっていう話でもないんですよ。さまざまなノウハウや情報を持っているCivic Forceさんとつながることで、解決の糸口が見えることもある。そういう意味でもネットワークを築くことが大切だと思います。

――最後に、今後Good Linksをどのように活用していきたいかをお聞かせください。

生活困窮者がどんどん増えるなかで、どういうニーズが高まっているのかという情報共有は、もっと積極的にしていきたいですね。情報をただ受けるだけではなく、双方向に発信していくことが大事なのではないでしょうか。

Good Linksにはまだまだのびしろがあって、有機的な関係づくりのもと進化していっていると感じています。だからこそ、もっとたくさんの企業や支援団体に参加してほしいですね。